RACI 作成ルール
RACI Documentation Rulebook
主要成果物と主要判断の責任境界を、最小限のマトリクスで示すためのルールです。成果物カタログ全体やRole codeの定義を複製せず、責任衝突の可能性がある対象へ絞ります。
1. 全体方針
- RACI は、誰が作業し、誰が最終責任を持つかを明確にするために使います。
- 全成果物を網羅せず、主要成果物、価値判断、変更、公開など責任境界が重要な対象へ絞ります。
- 成果物別と判断・プロセス別の二表を基本とし、重複する行は統合します。
- 各行の
Aは一つの Role code に限定し、主たる実作業者にRを置きます。 - Role code はロール定義、実行主体・兼務はメンバー定義、Schedule owner はScheduleを正本とします。
- Agent は
RまたはCを支援できますが、Aは担いません。
2. 位置づけと用語定義
| 記号 | 意味 | 定義 |
|---|---|---|
| R | Responsible | 主たる実作業を担う |
| A | Accountable | 最終責任を持ち、承認または判断する |
| C | Consulted | 作業前・判断前に相談または確認する |
| I | Informed | 結果または変更の共有を受ける |
3. ファイル命名・ID規則
- 配置は
docs/ja/projects/<project-id>/030-project-management/pm-raci.mdを推奨します。 - ID は
<project-id>:pm-raci、ファイル名はpm-raci.mdとします。 - 列には採用済み Role code、行には成果物 ID または明確な判断・プロセス名を使います。
4. 推奨 Frontmatter 項目
| 項目 | 説明 | 必須 |
|---|---|---|
| id | <project-id>:pm-raci | ○ |
| type | project | ○ |
| status | draft / ready / deprecated | ○ |
| rulebook | specdojo:pm-raci-rulebook | ○ |
| based_on | 組織定義、ロール定義などの ID | 任意 |
| supersedes | 置き換え対象の旧文書 ID | 任意 |
5. 本文構成(標準テンプレ)
| 番号 | 見出し | 必須 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 1 | 適用方針 | ○ | 対象範囲、記号、Role code、兼務・Agentの扱い |
| 2 | 成果物別 RACI | ○ | 主要成果物の責任マトリクス |
| 3 | 判断・プロセス別 RACI | ○ | 価値判断、変更、品質、公開等の責任マトリクス |
| 4 | Schedule・実行主体との対応 | ○ | R、Schedule owner、member割り当ての関係 |
| 5 | 見直し条件 | ○ | 更新トリガーと確認内容 |
6. 記述ガイド
6.1. 適用方針
- 対象とする主要成果物・判断と、省略する対象を示します。
R/A/C/Iの意味を簡潔に示し、プロジェクト固有の補足だけを書きます。- 使用する列は採用済み Role code に絞り、省略理由を示します。
6.2. 成果物別 RACI
| 成果物 | PO | PM | BA | ARC | QE |
|---|
初期スコープの主要成果物、管理計画、公開対象など責任衝突があり得る単位へ絞ります。
生成ビューは正本と責任が同じ場合に独立行を作りません。
各行に一つの
Aと一つ以上のRがあることを確認します。
6.3. 判断・プロセス別 RACI
| 判断・プロセス | PO | PM | BA | ARC | QE |
|---|
- 当事者価値、費用・負荷、変更、品質例外、公開など最終判断者が異なる対象を分けます。
- 成果物作成と成果物内容の最終判断を混同しません。
- 通常の作業手順を網羅せず、責任境界が必要なプロセスだけを置きます。
6.4. Schedule・実行主体との対応
- Schedule owner は成果物行またはプロセス行の主たる
Rと一致させます。 - 実際のmember・兼務はメンバー定義で割り当て、RACIへ個人名を記載しません。
- 不一致がある場合にどの正本を更新するかを示します。
6.5. 見直し条件
| トリガー | 確認すること |
|---|
- スコープ、採用Role code、主要成果物、判断ゲート、Schedule ownerが変わった場合に見直します。
- 兼務で作業・判断が滞留した場合は、まず責任分担とエスカレーションを見直します。
- RACIの行追加は、責任衝突を防ぐ必要がある場合だけ行います。
7. 禁止事項
| 禁止事項 | 理由 |
|---|---|
| 成果物カタログ全体や生成ビューを機械的に列挙する | 保守量が増え、主要責任が埋もれる |
| 未採用Role code、member、人名、agent名を列に使う | 正本と責任語彙が一致しないため |
Aを省略する、または一行に複数置く | 最終責任が不明になるため |
AgentにAを割り当てる | 人間の説明責任を代替するため |
Schedule ownerと主たるRを矛盾させる | 実作業責任を追跡できないため |
| 兼務を理由に責任境界を統合する | 判断と作業の区別が失われるため |