タスク完了
review gate で完了要求を受け、最新の grade・finding を事実として変更内容、plan、実行記録、完了条件と照合し、タスクの完了可否と改善指示を確定する。
1. 概要
- 業務目的: 成果物の品質評価とタスク成果の承認を分離したまま、要求された作業を完了してよいかを人間が判断し、その決定を追跡可能にする。
- プロセス領域: Action グループのタスク完了(
P-11) - 対象者: PO と PM は完了可否を判断し、PM は決定と完了を記録し、成果物の editor は未充足事項と改善指示を後続作業に利用する。
- 主担当: PO、PM
- 開始点: review gate で Orchestrator からタスクの完了要求を受領した時点
- 終了点: 完了可否の verdict と根拠が確定し、完了可能な場合は完了・決定の記録と完了記録が残った時点、完了不可の場合は改善指示を含む再計画要求が引き渡された時点
- 対象外: 成果物の品質の再評価、grade・finding の変更、成果物の編集、再計画後の作業、完了記録を保存する物理方式
本書は 概念データフロー図(Action) の P-11 を具体化する。review はタスクの成果を判定する。成果物の品質は 成果物評価 が一度だけ評価し、review は最新の grade・finding を事実として受け取って文書を再評価しない。grade・finding の内容に疑義がある場合も review 内で判定を置き換えず、P-08 へ評価要求を戻す。
2. トリガー
| トリガー ID | 出来事 | 発生元 | 受領情報 | 開始条件 | 不成立時の扱い |
|---|---|---|---|---|---|
T-01 | review gate でタスクの完了要求が発行された | Orchestrator | 対象タスク、変更内容、plan、実行記録、完了条件、評価結果、進捗報告の判断事項 | 対象タスクを一意に特定でき、現在の成果物と同じ content_hash の評価結果を確認できる | 鮮度不足は E-01、評価不能は E-02 |
grade が示す品質と review が示す完了可否は別の判定である。品質上の finding があっても今回のタスク範囲を満たせば完了可能な場合があり、grade が良好でも plan または完了条件を満たしていなければ完了不可となる。
3. 前提条件
- 対象タスク、変更内容、plan、実行記録、完了条件を対応付けられる。いずれかを特定できない場合は
E-03とする。 - 評価結果の
content_hashと現在の成果物のcontent_hashが一致し、依存先と Kata を含む評価コンテキストの変化が評価結果へ反映済みである。一致しないか評価結果がない場合、または未反映の変化がある場合は、review を開始せずE-01とする。 - 評価不能記録がなく、grade・finding が確定している。評価不能の場合は
E-02とする。 - 完了判断を行う PO と PM、および完了記録を残す PM の権限を確認できる。確認できない場合は処理を開始しない。
4. 入力
| 入力 | 入手元 | 利用目的 | 必須 | 正本 |
|---|---|---|---|---|
| 完了要求 | Orchestrator | review gate の対象タスクと判断時点を固定する | ○ | 完了要求 |
| 変更内容 | 成果物 / deliverable | 今回のタスクで実現した成果と対象範囲を確認する | ○ | 成果物 / deliverable |
| plan | 実行記録 | タスクが要求した作業と完了手順を確認する | ○ | 実行記録 |
| 実行記録 | 実行記録 | 実施内容と検証結果を確認する | ○ | 実行記録 |
| 完了条件 | 成果物カタログ / catalog | タスク成果の受入条件を確認する | ○ | 成果物カタログ / catalog |
| 最新の grade・finding | 評価結果 | 成果物の品質に関する確定済みの事実を完了判断へ利用する | ○ | 評価結果 |
現在の content_hash | 成果物 / deliverable | 評価結果が現在の成果物に対応することを確認する | ○ | 成果物 / deliverable |
| 進捗報告の判断事項 | 進捗報告 | 完了または再計画に影響する横断的な判断事項を確認する | 条件付き。判断事項が記録されている場合に必須 | 進捗報告 |
5. 処理
| ステップ ID | CDFD プロセス | 担当 | 入力 | 活動・判断 | 出力・完了条件 | 例外 |
|---|---|---|---|---|---|---|
S-01 | P-11-01 | PO、PM | 完了要求、最新の grade・finding、現在の content_hash | 評価結果の content_hash と現在の成果物を照合し、評価コンテキストの変化が反映された grade・finding が review gate 時点で最新であることを確認する。 | 現在の成果物と評価コンテキストに対応する評価結果を一件特定でき、完了可否判定の入力として固定されている | E-01、E-02 |
S-02 | P-11-01 | PO、PM | 変更内容、plan、実行記録、完了条件、最新の grade・finding、進捗報告 | 今回の変更が plan と完了条件を満たすか、残る finding が今回の完了を妨げるかを照合して verdict を決める | 完了可否の verdict、判断根拠、未充足事項、必要な改善指示を確認できる | E-03 |
S-03 | P-11-02 | PM | 完了可能の verdict と判断根拠 | 完了の決定を登録簿へ、完了記録を実行記録へ残す | 対象タスク、verdict、判断者、判断根拠、判断時点を登録簿と実行記録で確認できる | - |
S-02 で完了不可と判断した場合は S-03 を起動せず、未充足事項と改善指示を再計画要求として Plan へ引き渡して終了する。成果物が変更された後の次回 review では、変更後の content_hash に対応する grade を先に確定する。
6. 出力
| 出力 | 受け手 | 確定条件 | 正本 | 後続処理 |
|---|---|---|---|---|
| 完了可否の verdict と判断根拠 | PM、Orchestrator、editor | 対象タスク、最新の grade・finding、plan、実行記録、完了条件と判断の対応を確認できる | 登録簿 / register | 完了確定記録、または Plan での再計画 |
| 完了・決定の記録 | プロジェクト参加者 | 対象タスク、verdict、判断者、判断根拠、判断時点を確認できる | 登録簿 / register | 後続タスク |
| 完了記録 | Orchestrator | 完了可能の verdict と完了した実行を対応付けて確認できる | 実行記録 | 後続タスク |
| 未充足事項・改善指示を含む再計画要求 | Plan、editor | 完了不可の理由、未充足事項、改善指示、再開に必要な評価を確認でき、完了記録が作成されていない | 登録簿 / register | Plan での再計画、成果物の改善、再評価 |
7. 例外・代替経路
| 例外 ID | 対象ステップ | 検出条件 | 停止範囲 | 担当 | 処置 | 再開条件・代替成果 |
|---|---|---|---|---|---|---|
E-01 | S-01 | 評価結果がない、その content_hash が現在の成果物と一致しない、または評価コンテキストの変化が未反映である | review と完了可否の判断 | runner | 現在の成果物について 成果物評価 を起動する。review 自身は成果物を評価せず、古い結果から verdict を推測しない | 現在の内容と評価コンテキストに対応する grade・finding が確定した後、S-01 から再開する |
E-02 | S-01 | 最新の評価要求が評価不能となり、grade・finding を確定できない | review と完了記録 | QE | 評価不能の理由と不足情報を完了要求へ対応付け、完了判断を保留する | 不足情報を補完して grade・finding が確定した後、S-01 から再開する。補完不能の場合は完了保留記録を代替成果とする |
E-03 | S-02 | plan、実行記録、完了条件の不足、またはそれらとの照合により未充足事項が特定された | S-03 の完了確定記録 | PO、PM | 完了不可の verdict、未充足事項、改善指示を記録し、再計画要求として Plan へ委譲する | 再計画後の対応と評価が完了し、最新の grade・finding と完了要求がそろった時点で S-01 から再開する |
8. 検証・受入観点
| 観点 | 入力条件 | 期待する業務成果 | 確認可能な記録 |
|---|---|---|---|
| 完了可能 | 最新の grade・finding があり、変更内容が plan と完了条件を満たし、完了を妨げる未充足事項がない | 完了可能の verdict と根拠が確定し、登録簿と実行記録に一件ずつ完了の記録が残る | 評価結果、review の判断記録、登録簿、実行記録 |
| 品質 finding を伴う完了 | 最新の評価結果に finding があるが、今回のタスク範囲と完了条件は満たしている | finding を消去または再評価せず、今回の完了を妨げない理由を伴う verdict と、必要な改善指示を確認できる | 評価結果、verdict、判断根拠、改善指示 |
| 品質良好だが未完了 | grade は良好だが、plan または完了条件に未充足事項がある | 完了記録を作らず、完了不可の verdict と未充足事項を含む再計画要求が引き渡される | 評価結果、plan、完了条件、再計画要求 |
| 評価結果が最新でない | 評価結果がない、現在の成果物と content_hash が一致しない、または評価コンテキストの変化が未反映である | review が成果物を再評価せず、runner による grade の確定まで完了判断を開始しない | 完了要求、評価要求、content_hash、評価コンテキスト |
| 評価不能 | 成果物評価で必須情報が不足し、grade・finding を確定できない | 完了を推測せず保留し、評価不能の理由、不足情報、補完担当、再開条件を確認できる | 評価不能記録、完了保留記録 |
| review 中の成果物変更 | S-01 後に成果物が変更され、固定した評価結果の content_hash が現在の内容と一致しなくなった | verdict と完了記録を確定せず E-01 に戻り、変更後の内容について grade が確定してから完了可否を判断する | 変更前後の content_hash、評価要求、review の記録 |