ステークホルダー登録簿
本書は、SpecDojo プロジェクトに関係するステークホルダーを識別し、期待、懸念、必要な合意、関与方針を整理するための登録簿である。
本プロジェクトは、現時点では個人・小規模プロジェクトとして開始する。そのため、本書では 小規模運用で必要な最小限のステークホルダー のみを管理する。
なお、公開リポジトリに配置する文書であるため、個人名、連絡先、非公開の組織情報、機密性の高い利害関係は記載しない。
1. 基本方針
- ステークホルダーは、プロジェクトに影響する、または影響を受ける関係者・集団・外部基盤を表す。
- ステークホルダーは、Schedule / WBS の
ownerには使用しない。 - Schedule / WBS の
ownerは、pm-organization.mdで採用した Role code を使用する。 - ステークホルダーに対応する Role code がある場合は、
対応 Role codeとして明示する。 - 対応 Role code は、
pm-roles.yamlおよびpm-organization.mdで採用した Role code だけを記載する。 - ステークホルダー登録簿は、利害、期待、懸念、合意対象、関与方針を整理するために使用する。
- 小規模運用では、影響度/関心度分析、詳細なコミュニケーション計画、RACI との連携は必要最小限に留める。
2. 登録対象
小規模運用では、次のステークホルダーのみを初期登録対象とする。
| ID | 関係者 | 関与区分 | 所属/組織 | 主な関心 | 対応 Role code | 備考 |
|---|---|---|---|---|---|---|
STH-PROJECT-OWNER | プロジェクトオーナー | スポンサー / 意思決定者 / 実行責任者 | SpecDojo プロジェクト | 目的、スコープ、優先順位、公開方針、成果物品質 | PO | 小規模運用では複数責務を兼務する |
STH-AI-AGENT | AI Agent | 実行支援者 | 利用する生成 AI 環境 | 草案作成、レビュー支援、整合性確認、改善提案 | PO, BA, ARC, QE | 人間の判断や責任を代替しない |
STH-FUTURE-USER | 将来の利用者 | 利用者 | 企業、個人、行政、教育機関、地域コミュニティ、OSS プロジェクト等 | SpecDojo の分かりやすさ、導入しやすさ、継続利用しやすさ | BA | 初期段階では想定ステークホルダーとして扱う |
STH-FUTURE-CONTRIBUTOR | 将来の貢献者 | 外部協力者 / 新規貢献者 | 個人、企業、OSS コミュニティ等 | Issue、Pull Request、提案、レビュー基準、貢献しやすさ | BA, QE | OSS 公開後に関与が本格化する |
STH-PUBLICATION-PLATFORM | 配布・公開基盤 | 外部基盤 | GitHub 等 | 公開、履歴管理、Issue/PR、ライセンス表示、参照性 | ARC, PO | 実体はサービス基盤であり、管理対象ではなく利用前提として扱う |
3. 期待・懸念・必要な合意
| ID | 主な期待 | 主な懸念 | 必要な合意・確認 | 責任ロール |
|---|---|---|---|---|
STH-PROJECT-OWNER | SpecDojo の目的に沿った、実用的で継続更新しやすい文書体系を整備する | 方向性のぶれ、過剰な複雑化、継続困難化、公開判断の曖昧さ | 目的、範囲、優先順位、公開方針、成果物構成 | PO |
STH-AI-AGENT | ルールに基づき、草案作成、レビュー、改善提案を効率的に支援する | 誤解釈、過剰生成、不整合、根拠のない補完、責任境界の誤認 | 入力情報、制約条件、出力形式、レビュー方針、最終判断者 | PO |
STH-FUTURE-USER | SpecDojo が分かりやすく、実務で使いやすく、導入負荷が低い | 記述ルールが難しい、適用範囲が不明、テンプレートが重い | 適用範囲、利用手順、最小構成、サンプル、ライセンス | BA |
STH-FUTURE-CONTRIBUTOR | 貢献方法が明確で、提案や修正が扱われる | 参加方法が不明、レビュー基準が不透明、PR が取り込まれない | 貢献ルール、Issue/PR 方針、レビュー方針 | BA |
STH-PUBLICATION-PLATFORM | SpecDojo が参照・取得・改善しやすい形で公開される | リポジトリ構成が分かりにくい、ライセンスが不明、履歴が追いにくい | リポジトリ構成、README、LICENSE、公開範囲 | ARC |
4. 関与方針
| ID | 現状 | 目標 | 対応方針 | 責任ロール | 証跡 |
|---|---|---|---|---|---|
STH-PROJECT-OWNER | 主導 | 主導 | 目的、範囲、優先順位、公開方針を継続的に確認し、主要成果物の判断と更新を行う | PO | プロジェクト概要、憲章、Issue、決定記録 |
STH-AI-AGENT | 支援 | 支援 | 入力文書、作成ルール、制約条件を明示し、生成物は人間が確認する | PO | 指示内容、生成結果、レビュー記録 |
STH-FUTURE-USER | 未関与 | 支持 | README、導入手順、最小構成テンプレート、サンプルを整備し、利用しやすさを高める | BA | README、導入ガイド、テンプレート、サンプル |
STH-FUTURE-CONTRIBUTOR | 未関与 | 協力 | Issue/PR の導線、貢献ルール、レビュー基準を段階的に整備する | BA | CONTRIBUTING、Issue テンプレート、PR テンプレート |
STH-PUBLICATION-PLATFORM | 利用中 | 活用 | リポジトリ構成、README、ライセンス、変更履歴を整備し、公開・参照・改善しやすい状態にする | ARC | README、LICENSE、Git 履歴、Release notes |
5. コミュニケーション要件
小規模運用では、詳細なコミュニケーション計画は必須としない。必要な情報要求と証跡のみを整理する。
| ID | 情報要求 | 主なチャネル | 合意・報告の必要性 | 証跡要件 |
|---|---|---|---|---|
STH-PROJECT-OWNER | 目的、範囲、優先順位、主要判断事項 | Issue、Pull Request、決定記録 | 方針変更、公開方針、主要成果物の確認 | 決定記録、PR、Issue |
STH-AI-AGENT | 入力文書、作成ルール、制約条件、出力形式 | 指示テンプレート、チャット | AI 出力の採否は人間が判断する | 指示内容、生成結果、レビュー結果 |
STH-FUTURE-USER | 目的、適用範囲、利用手順、テンプレート、サンプル | README、SpecDojo、導入ガイド | 利用上の不明点や改善要望を Issue 等で収集する | Issue、フィードバック、更新 PR |
STH-FUTURE-CONTRIBUTOR | 貢献方法、レビュー基準、Issue/PR ルール | GitHub Issue、Pull Request、CONTRIBUTING | 貢献ルールとレビュー方針を明示する | Issue、PR、レビュー記録 |
STH-PUBLICATION-PLATFORM | リポジトリ構成、ライセンス、更新状況 | GitHub、README、Release notes | 公開前に README、LICENSE、構成を確認する | README、LICENSE、Git 履歴 |
6. ロールとの関係
ステークホルダーとロールは別概念である。
| 概念 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| Stakeholder | 利害、期待、懸念、合意対象を管理する相手 | STH-FUTURE-USER |
| Role | 責務、判断権限、タスク owner を表す論理的な役割 | BA |
例:
STH-FUTURE-USERは、SpecDojo を利用する想定ステークホルダーである。BAは、将来利用者の視点を整理するロールである。- Schedule / WBS の
ownerにはSTH-FUTURE-USERではなくBAを書く。 対応 Role codeは、ステークホルダーの期待、懸念、合意対象を主に扱う Role code を示す。- 1 つのステークホルダーに複数の Role code が対応してよい。
- 対応 Role code がない外部基盤や外部集団は、必要に応じて
なしと記載し、無理に Role code を割り当てない。
7. 見直し条件
本書は、次のタイミングで見直す。
| 更新トリガー | 見直し内容 | 責任ロール | 証跡 |
|---|---|---|---|
| プロジェクト概要を変更した | 関係者、期待、懸念、必要な合意の再確認 | PO | 変更差分、PR、決定記録 |
| OSS 公開方針を変更した | 将来利用者、将来貢献者、公開基盤への影響確認 | PO | LICENSE、README、決定記録 |
| リポジトリ構成を変更した | 利用者、貢献者、公開基盤への影響確認 | ARC | PR、Issue |
| 主要ルールブックを追加・変更した | 利用者、AI Agent への影響確認 | BA | PR、レビュー記録 |
| 外部からの Issue / Pull Request 受付を開始した | 将来貢献者の関与方針、レビュー方針の確認 | BA | CONTRIBUTING、Issue、PR |
| 初回公開前 | 個人情報、機密情報、ライセンス、README、導入手順の確認 | QE | 公開前チェックリスト、レビュー記録 |
| 初回公開後の主要フィードバックを受領した | 利用者、貢献者、活用プロジェクトの追加確認 | BA | Issue、フィードバック、更新 PR |
8. 禁止事項
- ステークホルダー ID を Schedule / WBS の
ownerに使うこと。 - ステークホルダー登録簿で member nickname を管理すること。
- ステークホルダー登録簿に不要な個人名、連絡先、非公開組織情報を書くこと。
- AI Agent を最終判断者または承認者として扱うこと。
- 小規模運用で不要な詳細分析を増やし、文書を過剰に複雑化すること。