プロジェクトスコープ: SpecDojo
本書は、三つの価値仮説を検証するために、SpecDojo の初期公開へ含める活動、成果物、代表試行の境界を定める。
1. 対象業務
対象は、資金と専門人材が限られ、技術・非技術の参加者が協働するシビックテックプロジェクトである。代表試行では、一つの社会課題について次の流れを確認する。
- 当事者と非技術参加者が、課題、対象者、期待する変化、制約を言語化する。
- 技術者と AI Agent が、それらを要求・仕様とソリューション候補へつなげる。
- 選んだ候補を、追加支出と作業時間を記録しながら試行成果まで具体化する。
- 判断と作業を別の参加者へ引き継ぎ、改善を継続する。
試行成果は、課題に応じてプロトタイプ、既存 OSS の構成、業務手順、データ活用方法などから事前に定める。本番サービスの完成を一律には求めない。
| 利用者 | 利用場面 | 期待する結果 |
|---|---|---|
| 当事者・市民・地域・行政 | 課題、期待価値、制約、結果を確認する | 技術知識に依存せず、解く内容を判断できる |
| 開発者・技術協力者 | 要求を仕様と試行成果へ具体化する | 現場の Why を失わず、技術を適用できる |
| 継続参加者・AI Agent | 成果物を再利用し、変更・引き継ぐ | 費用と負荷を抑えて改善を続けられる |
初期公開に含めるもの
- 社会課題、期待価値、要求、仕様、判断、検証結果を結ぶ最小成果物セット。
- rulebook、recipe、sample、template 一式と選択案内。kata(実践の型)自体は将来のテーラリングに備えて広めに整備してよく、これは1の最小成果物セットの原則の例外とする。個別プロジェクトでの実装・運用は SC-01〜SC-03 に必要な範囲へ絞る。
- 文書、カタログ、登録簿、実行計画の生成・検証・状態管理・Agent 実行を支援する SpecDojo CLI。
- 人と AI Agent が同じ正本を参照・検証するための ID、メタデータ、参照ルール。
- OSS・再利用・AI 支援を活用し、現金支出と作業時間を記録する試行手順。
- 課題定義から試行成果、引き継ぎまでの代表シナリオと評価記録。
- README、ライセンス、改善提案の入口など、OSS として試用する公開導線。
2. 対象システム
| 対象 | 内容 | 境界 |
|---|---|---|
| 文書フレームワーク | 最小成果物、作成支援資料、schema、ID、メタデータ、参照関係 | 個別システムの本番実装は含めない |
| SpecDojo CLI | 文書・カタログ・登録簿・実行計画の生成・検証、状態管理、Agent 実行支援 | 外部 Agent CLI 自体や個別業務の自動化は含めない |
| 管理データ・生成物 | 成果物カタログ、登録簿、Schedule、Execution、検証結果 | 正本から生成する派生物は直接編集しない |
| 代表試行 | 社会課題から試行成果までの一つ以上のシナリオ | 本番運用、利用者サポート、サービス保証は含めない |
| 公開導線 | 利用方法、ライセンス、改善提案、公開可能なサンプル | 有償サービスや個別団体の内部運用は含めない |
3. 対象期間
- 初期公開: 最小セットと公開導線を整え、代表試行で SC-01〜SC-03 を確認するまで。
- 公開後: 実利用3件を目安に、価値、費用・負荷、継続状況を確認するまで。
- 具体的な公開日は TODO: 初期公開計画で決定する。
4. スコープ外
| 対象(Out) | 理由 |
|---|---|
| 全ライフサイクル・全文書種別の完成 | 三つの価値仮説に必要な最小セットを優先する(kata=rulebook/recipe/sample/templateと成果物カタログへの宣言は例外とし、テーラリングの土台として広く整備してよい。成果物本体の完成はSC-01〜SC-03に必要な範囲に留める) |
| 個別ソリューションの本番開発・運用 | 初期試行は SpecDojo の有効性検証を目的とする |
| 「無償」を理由とする無制限な労務提供 | 人の時間と継続負担を費用として扱う |
| 特定手法、技術、AI 製品への最適化 | 利用プロジェクトが技術を選べる共通の型を保つ |
| 外部サービス・団体システムとの連携 | 初期検証に不要で、運用と情報管理の範囲が広がる |
| 人間の意思決定責任の代替 | AI Agent は言語化、実行、検証の支援者として扱う |
5. 境界の判断基準
追加候補は、次の順で判断する。
- 課題と技術の接続、低コストな実現、無理のない継続のいずれを検証するか。
- SC-01〜SC-03 の代表試行に必要か。
- 既存の成果物、OSS、無償の手段で代替できないか。
検証対象と対応しないものは初期公開後に送る。
6. スコープ変更方針
変更提案には、対応する P-ID / SC-ID、利用者価値、現金支出、作業負荷、追加・削除する成果物、公開時期への影響を記録する。BA と ARC が影響を確認し、PO が承認する。初期公開前に追加する場合は、同時に削除または延期する項目を示す。