成功基準と受入条件
1. 判定対象と適用範囲
代表的なシビックテックプロジェクトを用いて、次の三つの価値仮説を判定する。
| 業務価値 ID | 業務価値 |
|---|---|
| BV-01 | 当事者の社会課題と期待価値が、実行可能な要求・仕様・試行成果につながる |
| BV-02 | 資金と専門人材が限られていても、低い現金支出と許容可能な負荷で実現できる |
| BV-03 | 特定個人の無理な善意に依存せず、参加者が作業を分担・継承できる |
| BV-04 | ソリューションと社会課題への取り組みが継続し、多様な参加者が関与できる |
初期公開の GO / Not GO は SC-01〜SC-03 と AC-01〜AC-04 のすべてで判定する。SC-04〜SC-06 は公開後の価値検証であり、初期公開の合否には含めない。
「低コスト」は人の無償労働を意味しない。SpecDojo 自体の利用・ライセンス費、試行に追加で必要な現金支出、参加者別の作業時間、継続的な運用負荷を分けて判定する。
2. 成功基準
| ID | 対応価値 | 成功条件 | 判定基準 | 測定方法 | 判定時期 | 確認者 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| SC-01 | BV-01 | 社会課題と技術がつながる | 当事者が課題、対象者、期待する変化と試行成果の対応を説明でき、重大な不一致がなく、技術者または AI Agent が実行可能な次の作業を特定できる | 課題定義から試行成果までの対応確認と当事者評価 | 初期公開前 | BA, QE |
| SC-02 | BV-02 | 低コストで試行成果を作れる | SpecDojo の利用・ライセンス費が0円で、追加現金支出と参加者別作業時間が試行前に PO が承認した上限内に収まり、試行成果を完成できる | 支出証跡、使用資産、担当別作業時間、成果物 | 初期公開前 | PM, QE |
| SC-03 | BV-03 | 無理なく分担・継承できる | 判断と作業が共有され、別の参加者が承認済みの作業時間上限内で、未決事項を理解し一つの改善を完了できる | 役割・作業時間の分布、引き継ぎ結果、更新差分 | 初期公開前 | BA, QE |
| SC-04 | BV-01〜03 | 実プロジェクトで使われる | SpecDojo を用いて社会課題から要求・仕様または試行成果を作成・更新した外部プロジェクトが累積3件以上ある | 公開成果物、導入報告、利用者確認 | 公開後6か月 | BA, PO |
| SC-05 | BV-01〜03 | 価値と負担が受容される | SC-04 の各案件から有効回答を得て、課題との一致、費用・負荷、分担・継承の三観点のうち二つ以上が改善した回答が70%以上ある | 利用前後の費用・作業記録と利用者ヒアリング | 公開後9か月 | BA, PO |
| SC-06 | BV-04 | 社会活動への寄与を確認できる | 累積3件以上の活用事例で、ソリューションの継続提供、社会課題への取り組み、非技術参加者の関与のうち二つ以上を確認できる | 活用事例、運用状況、費用・負荷、参加者への確認 | 公開後24か月 | BA, PO |
3. 受入条件
| ID | 対応価値 | 種別 | 条件 | 合格基準 | 証跡 | 確認者 | 承認者 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| AC-01 | BV-01〜03 | 利用者視点 | 代表試行を実施できる | SC-01〜SC-03 に必要な最小成果物、選択案内、作成支援資料、試行手順があり、代表試行に合格する | 対象成果物一覧と代表試行の記録 | BA, QE | PO |
| AC-02 | BV-01〜03 | 技術的受入 | 正本、費用、負荷を検証できる | ID、参照関係、生成物が検証に合格し、支出、使用資産、担当別作業時間、判断者を追跡できる | 検証結果と費用・作業・判断の記録 | ARC, QE | PO |
| AC-03 | BV-01〜04 | 公開適性 | OSS として再利用できる | 利用方法、ライセンス、改善提案の入口があり、権利を確認でき、個人情報・機密情報を含まない | ライセンス確認と公開前レビュー記録 | BA, QE | PO |
| AC-04 | BV-01〜04 | 是正・再判定 | 未達を是正・再判定できる | 未達 ID、利用者影響、費用・負荷への影響、是正内容、担当、期限、再判定結果を記録できる | 是正・例外承認・再判定の記録 | QE | PO |
4. 判定手順と証跡
POとBAが代表課題、当事者、期待価値、試行成果を定める。POとPMが、追加現金支出と参加者別作業時間の上限、対象期間、除外費用を試行前に承認する。- 代表参加者が SC-01〜SC-03 を実施し、
BAが当事者価値、PMが費用・負荷、ARCが正本と再利用、QEが証跡を確認する。 - 未達時は是正または期限付き例外を記録し、
POが GO / Not GO を判断する。 - 公開後は
BAが SC-04〜SC-06 を確認し、POが改善方針を決める。
5. 例外条件と未解決事項
| 論点 | 決めること | 期限 | 責任者 |
|---|---|---|---|
| 代表課題と試行成果 | 当事者、対象者、期待価値、技術協力者、完成とみなす試行成果 | シナリオ作成前 | PO, BA |
| 追加現金支出の上限 | 対象費用、金額、対象期間、既存資産・寄付の扱い | 試行開始前 | PO, PM |
| 作業時間の上限 | 参加者区分ごとの上限、記録単位、継続運用負荷の扱い | 試行開始前 | PO, PM |
| ライセンスと公開範囲 | 再利用できる成果物、権利確認、非公開情報、改善提案の条件 | 初期公開判定前 | PO |