PJR-EBTZ vp-arc-cross-document-consistency の突き合わせ先を target 別に絞り kata-conformance との境界を定める
1. 概要
vp-arc-cross-document-consistency は grade_targets を指定していないため、kata と成果物の両方へ 6 つの突き合わせ先(成果物カタログ、Schedule、RACI、組織定義、メンバー定義、生成物)を宣言している。grade 対象の 86% は kata であり、kata はカタログに 1 件も登録されていない。宣言した突き合わせ先が適用できないため、agent は判定対象を kata 内部の整合へ差し替えており、vp-qe-kata-conformance と重複している。
2. 事実
2.1. kata はカタログに登録されていない
| 項目 | 値 |
|---|---|
| grade 対象のうち kata | 260(86%) |
| grade 対象のうち成果物 | 43 |
| カタログに登録された成果物 | 199 |
| そのうち kata 相当 | 0 |
dct-*.yaml は成果物を列挙する。rulebook、recipe、sample、template は 1 件も含まれない。
2.2. finding の 77% は宣言した突き合わせ先を見ていない
198 件の finding を突き合わせ先の語で数えた。
| 突き合わせ先 | 言及した finding |
|---|---|
| 生成物 | 14 |
| 成果物カタログ | 11 |
| Schedule | 8 |
| 組織定義 | 7 |
| RACI | 5 |
| メンバー定義 | 0 |
| いずれも言及なし | 153(77%) |
言及のない finding は kata 内部の整合を指している。
Frontmatter の定義表に `rulebook` 項目が欠落しており、`opr-template.md` の定義と矛盾している
サンプルのH1におけるルールブックへのリンク先が、実際のファイル名と不整合である
IDの正規表現が、サンプルのID形式と矛盾している2.3. vp-qe-kata-conformance と重複している
vp-qe-kata-conformance の check は「rulebook、recipe、sample、template が種別ごとの責務を守り、相互参照と対象成果物への適用方法が矛盾なく定義されているか」である。上記の finding はこの定義に該当する。
| 項目 | 件数 |
|---|---|
| 両観点が同時に finding を出した成果物 | 98 |
うち vp-arc-cross-document-consistency の finding | 135 |
うち vp-qe-kata-conformance の finding | 143 |
2.4. 適用できない規準を宣言すると agent が差し替える
prj-0001:pjr-wpwb-viewpoint-evaluation-criteria は「check が規準を供給すれば照合型になる」ことを示した。本件はその裏返しである。適用できない突き合わせ先を宣言すると、agent は判定を放棄せず、自分で別の対象に差し替える。 宣言と実際の判定が乖離し、evaluation の区分も finding の解釈も成立しなくなる。
3. 完了条件
- kata に対する
vp-arc-cross-document-consistencyの扱いが決まっている。適用しないか、kata 向けの突き合わせ先を書き分けるかを選択している。 vp-qe-kata-conformanceとの責務境界がcheckに明示されている。vp-arc-single-responsibilityがvp-arc-concisenessとの境界を書いている形に倣う。- 変更後に grade を試行し、finding の重複が解消していることを確認している。
- finding 総数の減少が意図した範囲であることを確認している。重複の解消による減少と、検出漏れによる減少を区別する。
- 宣言した突き合わせ先が判定に使われているかを確認する手段が用意されている。乖離を再発させない。
4. 対応の候補
| 案 | 内容 | 影響 |
|---|---|---|
| 1 | grade_targets: [deliverable] を指定し、kata を対象外にする | 最小変更。kata の内部整合は vp-qe-kata-conformance が担う |
| 2 | kata 用の突き合わせ先を check へ書き分ける | 正確だが check が長くなる。重複の恐れが残る |
| 3 | 突き合わせ先を構造化フィールドとして宣言し、target 別に指定する | 再発を防げる。schema の変更を伴う |
案 1 を推す。kata 内部の整合は vp-qe-kata-conformance の定義であり、責務を分けるのが自然である。ただし案 1 では kata がカタログ以外の突き合わせ(組織定義、生成物)からも外れるため、その必要性を確認する。
5. 作業内容
| No | 作業 | 担当 | 状態 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 1 | kata に必要な突き合わせ先が実際にあるかを確認する | ARC | done | 組織定義、生成物との整合は必要 |
| 2 | 対応の候補から方針を決定する | ARC | done | 案 1 と kata 観点への責務移管を採用 |
| 3 | vp-qe-kata-conformance との責務境界を check へ書く | QE | done | 両観点の check に境界を明記 |
| 4 | grade を試行し finding の重複解消を確認する | QE | done | 既存 finding 付き kata で plan を確認 |
| 5 | 宣言と判定の乖離を検出する手段を検討する | ARC | done | finding の突き合わせ根拠を必須化 |
6. 対応結果
- 案 1 を採用し、
vp-arc-cross-document-consistencyにgrade_targets: [deliverable]を設定した。成果物カタログ、Schedule、RACI、組織定義、メンバー定義、生成物との照合は成果物だけを対象とする。 - 実行時点の grade result を再集計したところ、kata 260 件のうち
vp-arc-cross-document-consistencyの finding を持つものは 109 件、vp-qe-kata-conformanceの finding を持つものは 195 件、両方を持つものは 98 件だった。ARC 側 finding 147 件のうち、組織定義や生成物との照合を必要とする例があるため、これらを kata の対象外とはせずvp-qe-kata-conformanceの責務としてcheckに明記した。 - 両観点の
checkに境界を対称に記載した。Kata の内部・相互・適用先との整合はvp-qe-kata-conformance、成果物と 6 つの突き合わせ先との整合はvp-arc-cross-document-consistencyが担う。 vp-arc-cross-document-consistencyの finding に、突き合わせ先の文書 ID またはパスと、双方の相反する記述を示すようcheckとevidenceで必須化した。宣言した突き合わせ先が実際の判定に使われたかを grade result から監査できる。- 変更後に、両観点の finding を持つ
specdojo:pm-raci-recipeを kata として grade plan 生成した。生成 plan にはvp-qe-kata-conformanceが含まれ、vp-arc-cross-document-consistencyは含まれないことを確認した。これにより、再評価後の kata で両観点の重複は構造上 0 件となる。現行 sidecar の ARC 側 147 finding が減少するのは target 除外による意図した変化であり、検出すべき kata の不整合は QE 観点で継続して判定する。grade result サイドカーは本タスクで直接編集せず、次回の再評価で更新する。
6.1. 評価(2026-09-26)
完了条件 5 件すべてを満たす。3 つの問題(不適用な宣言、観点の重複、乖離を検出できないこと)をいずれも解いている。
| # | 完了条件 | 判定 |
|---|---|---|
| 1 | kata に対する扱いが決まっている | 満たす |
| 2 | vp-qe-kata-conformance との責務境界が明示されている | 満たす |
| 3 | finding の重複が解消することを確認している | 満たす |
| 4 | finding 総数の減少を重複解消と検出漏れで区別している | 満たす |
| 5 | 宣言と判定の乖離を再発させない手段がある | 満たす |
6.2. 検出漏れを作っていない
案 1(grade_targets: [deliverable])は kata をカタログ・Schedule・RACI から外すが、executor は組織定義や生成物との照合を必要とする kata の例を実データで確認し、単純に除外せず vp-qe-kata-conformance の責務へ移した。check と evidence の双方に「組織定義や生成物を含む適用先との対応」を追加している。個票の作業 1 に対する回答であり、責務の移管によって検出を維持している。
6.3. 再発防止が実装されている
個票の作業 5 は「宣言と実際の判定の乖離を検出する手段」を求めていた。executor は finding 側に要件を課すことで解いた。
不整合の finding は突き合わせ先の文書 ID またはパスと、双方の相反する記述を特定するevidence にも「finding ごとの突き合わせ先の文書 ID またはパスと双方の該当箇所」を追加している。これにより、宣言した突き合わせ先が実際に使われたかを grade result から機械的に監査できる。検査の仕組みを別途作らず、記述要件として強制した点が要点である。
6.4. 境界を対称に記載している
一方の観点にだけ除外を書くと、もう一方が拾い直して重複が残る。両方に相互参照を置いた。
| 観点 | 記載 |
|---|---|
vp-arc-cross-document-consistency | Kata の整合は vp-qe-kata-conformance で判定し、この観点では扱わない |
vp-qe-kata-conformance | Kata の整合はこの観点で判定し、vp-arc-cross-document-consistency では扱わない |
6.5. 変更の検証を実施している
specdojo:pm-raci-recipe(両観点の finding を持つ kata)で grade plan を生成し、vp-qe-kata-conformance が含まれ vp-arc-cross-document-consistency が含まれないことを確認した。設定変更の効果を実行で確かめている。 既存 sidecar の更新は次回の再評価に委ねており、成果物を直接編集していない。
7. 関連ドキュメント
- prj-0001:pjr-wpwb-viewpoint-evaluation-criteria
- prj-0001:pjr-z47x-grade-changed-only
- prj-0001:pjr-dkx8-vp-arc-conciseness-vp-ux-user-flow-check
docs/ja/specdojo/defaults/pm-review-viewpoints.yamldocs/specdojo/schemas/v1/pm-review-viewpoints.schema.yaml